【アジアで社費MBA】国内大手損害保険会社から早稲田-ナンヤンダブルMBA

今回は国内大手損害保険会社より社費MBA派遣で早稲田-ナンヤンダブルMBAに留学された小川さんに、「なぜアジアのMBAか?」「社費学生としてアジアMBAで学ぶメリット・デメリット」「MBA卒業後、派遣元企業に戻っての業務にどのようにMBAが活きているか」などについてインタビューさせて頂きました。

早稲田ナンヤン_プロフィール_小川s

小川修平(おがわ しゅうへい)

2010年4月、国内大手損害保険会社に入社。総合商社担当(法人営業部門)、代理店コンサル営業(リテール営業部門)、インド短期研修、人事部を経て社費派遣にて2018年よりMBA留学。早稲田ナンヤンダブルMBAプログラムで、シンガポール国立ナンヤン理工大学ナンヤンビジネススクールと早稲田大学ビジネススクールの両校のMBAを取得し、現在は派遣元企業にて国際事業に従事している。

目次

Pre MBA

なぜMBAを目指しましたか?

MBAを志した理由は大きく二点あります。

一点目は、周囲の影響です。
入社後の部門で指導担当者であった先輩がMBAホルダー(早稲田)であり、その知識量、考え方、問題へのアプローチ方など含めて人間的に憧れを感じていました。更に幸運なことに、二つ目の職場(愛知)の上司もMBAホルダー(ニューヨーク大学)であり、同じ支店の先輩が社費の海外MBAコースに選抜され(現フランス・HEC)、海外MBAについて身近に感じるようになりました。また、そのお二方も圧倒的なソフトスキル・ハードスキルをお持ちで、多くを学ばせて頂きました。

二点目は、自身の挫折経験からです。
インド現法(チェンナイ・ニューデリー・バンガロール)での研修生時に、自身の経営的な能力の低さと多様性の理解の無さに愕然とし、強い挫折感を感じました。自身の目指すべき姿とのギャップを埋めるべく自身の変革を求めるようになり、その最高の修練の場として海外MBAの必要性を感じました。

アジアMBAを選んだ理由は?

アジアを志望した理由は以下の三点です。

一つ目は、21世紀におけるビジネスの中心地となりうるからです。
ビジネスを勉強する場所は、ビジネスの中心地で果たすべきだと考えていました。そのビジネスの中心地は欧米からアジアにシフトしつつあり、さらにシンガポールなどは地理的にも経済的にもアジアの中心であると考えていました。

二つ目は、アジアのMBAが人材の多様性に富んでいるからです。
これまで20か国以上を訪問しましたが、多様性を受容しそれをマネージメントすることに課題を感じてきました。シンガポールは欧米・アジア各国から人々が集まる世界屈指のインターナショナルな都市国家であり、ダイバーシティの中で当該マネージメント能力を磨くには最適だと考えたからです。

三つ目は、住環境が優れているからです。
アジアの中でもシンガポールは、英語が公用語であり、常夏の島国。アジア各国・オーストラリアへのアクセスも良く、治安も日本と変わらず、世界各国の珍味が集まる。住環境において、こんなに住みやすく魅力的な国は無いと考えています。

早稲田ナンヤン_4_小川

「早稲田-ナンヤンダブルMBA」を選んだ理由は?

一つ目は、IntensiveでCase中心のスタイルをとっているからです。
NTUはCase中心の実践主義です。世界20か国以上から集まる海外の若手エリート達とこれ以上なくより濃厚な時間(クラス以外でも議論、飲み会、旅行、etc.)を過ごす為には、理論中心ではなく、実践を学ぶことが重要だと考えました。

二つ目は、Waseda Business Schoolとのダブルディグリー制度をもっていたからです。
海外でMBAを取得するだけでなく、早稲田に戻ってきて、International-Classの日本人として、、外国人の視点から客観的に且つしっかりとJapaneseビジネスを学べる機会は、現在の世界のMBAを見渡してもこのプログラムしか無いでしょう。
日本のビジネスに興味があり、今後企業の先端に立ってアジアの経済を支えていくであろうクラスメイト達のPersonality、Nationality、Culture、ビジネススタイル、考え方を知り、関係を構築するノウハウを学ぶことができる点は、今後私が戦う上で大きな武器となると確信しています。

三つ目は、Class環境です。
NTUのクラスは100名程度のsmall サイズで、そのコラボラティブな雰囲気がとても有名な大学です。ダイバーシティ比率を高めるために各国の生徒数に限度を設けており、ここもNTUを選ぶ要因となりました。

また、世界屈指のキャンパスの広大さを誇り、都市国家であるシンガポールにありがならスポーツなど余暇にも精力を注げることも非常に魅力的でした。

また、早稲田の環境も素晴らしいと考えていました。外国人クラスの一員として日本ビジネスを客観的に見る必要があり、一方で日本人としてクラスに日本の観点での発言をしなければならず、双方の視点から考えることは自分を成長させると考えていました。

四つ目は、アドミッションの雰囲気・熱意です。
アドミッションのフレンドリーさ、情熱は常に私の目をNTUに惹きつけ続けました。

早稲田ナンヤン_2_小川

受験準備にはどのぐらい時間を費やしましたか?

合計で、2500時間から3000時間を費やしました。ちょうど1年間の期間で対策をしたので、平均して1日8時間から10時間を1年間続けたイメージです。

受験準備期間において、試験準備と業務の両立について

私の場合、業務量を会社に制限して頂いたので、両立は比較的容易でした。一方で、休日や祝日を殆ど犠牲にしてMBA受験準備に費やしたため、家庭内から不満の声が上がりました。周囲がゴールデンウィークや夏季休暇、シルバーウィークや年末年始を楽しんでいる様子をSNSで見ながら、歯を食いしばって勉強に費やした時間は苦い思い出です。

学校選びについて派遣元企業から何かコメントはありましたか?

非常にポジティブなものでした。学校選びの前提として、所属企業からの条件が、世界でトップ30のMBAプログラムに入ることでした。NTUのMBAは、ファイナンシャルタイムズのMBAランキングで、世界トップ30であること(当時22位)、世界の大学ランキングでアジア1位であったこと(当時世界11位)、早稲田との人脈も築けることなどから、プログラム、大学名ともに会社もネガティブになる要素はありませんでした。

MBA

社費学生であることのメリット/デメリットは感じましたか?

メリットは大きく3点、デメリットも大きく2点あると考えております。

メリット

MBA受験に迷いがなくなる
私の周囲では、MBAを受験したくても、時間、労力、費用の観点から諦める方が多くいました。一方、社費である以上、受験から逃れる選択肢はありません。その為、迷いなくMBA受験に一直線になれます。

金銭面
受験中、留学中ともに、金銭面で悩む事は一切ありませんでした。

周囲の励ましを受けられる
友人、家族、会社のみんなから、大きな励ましを受けました。これは、初期投資の多い私費に比べれば大きなアドバンテージだと思います。

デメリット

留学期間中の行動制限
会社への月末のレポート提出や、インターンの制限など、社費生である為、多くの制約がありました。

将来の選択肢を狭める
MBAでは、あらゆる業界を日々取り扱うことにより、疑似体験を繰り返します。他業界を理解することにより、まさにアイオープニングな経験を積むことができます。その経験の中で、自分の将来への希望を発見することとなります。
一方で、社費生には、派遣元に戻り会社に貢献しなければならないという使命があります。周りが将来の新しい道への夢を語り合う中で、あらかじめ定められた道を見ることしかできない自分に悩むことも多くありました。

早稲田ナンヤン_3_小川

MBA在学中に派遣元企業との関わりあいはありましたか?

レポートの提出や、プレゼンテーションなどがありました。レポート内容は、学生生活全般、学んだこと全般、今後の業務に生かせること、などを報告していました。

Post MBA

MBA卒業後はどういった業務をしていますか?

実際に、海外事業に関わるマネジメント部門に配属され、事業管理や海外企画の推進などを担当しています。今後さらに、MBAで得た知識、人脈を活用する業務をしたいと考えています。

実際にMBAが業務に活きていると感じる部分はどのようなところでしょうか?

私は東南アジアの現地法人を担当しておりますが、いずれの国もMBAのプロジェクトで訪問しており、現地の様子が鮮明に浮かびます。また、法制度や現地の肌感覚など不明点があれば、現地で働くMBAの友人からアドバイスをもらえます。これは、何よりも業務にMBAが活きているところだと実感しております。

特に早稲田MBAは、日本国内で人脈を築くに当たり大きな財産となっております。教授との関係を継続させられるのは早稲田卒業生の特権であり、卒業後もアドバイスを頂けます。

また、様々な在学生・卒業生コミュニティがあり、MBA在籍中、卒業後も含めて食事会からスポーツイベント、ビジネスサークルまで常に、コミュニティにアクセスできる環境が整っています。まだ、業務そのものに活きているという実感はありませんが、将来このような人脈や、そこから得られる知識、情報は確実に人生に大きな影響を与えるものであると考えています。

早稲田ナンヤン_1_小川

これから社費でアジアMBAを目指す人にメッセージ

アジアMBAは、世界のMBAプログラムの中でも存在感を増しています。21世紀がアジアの世代と言われる中、アジアでビジネスを学ぶことはきっとあなたにアイオープニングな経験を与えてくれるでしょう。MBAの受験はつらいことばかりだと思いますが、後悔しない未来が待っていると思いますので、頑張ってください。

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