香港科技大学MBAでは8月1日からプレスクール(本格的に授業が始まる前のオリエンテーション期間)が始まります。プレスクール開始時に全学生約100名が4-5人一組の20チームに分けられ、これがプレスクール並びにその後の必修授業で助け合うコアチームとなります。
そして、そのコアチームが協力して動く最初のイベントが”Ocean Park Internal Case Competition”です。プレスクールの核として毎年提供されるこのプレグラム、前回に引き続き在校生の菊井さんにレポートして頂きました。
菊井 毅 (きくいたけし)
香港科技大学(HKUST) MBA Intake2019。慶應義塾大学経済学部卒。
Ocean Parkとは何か?
”Ocean Park(正式名称:Hong Kong Ocean Park)”とは、自然との共生をテーマにした香港島に位置する通園地です。イメージとしては“上野恩寵公園”と”八景島シーパラダイス”を足し、さらにそれを巨大化させた施設になります。
日本でも良く知られている通り、香港には”Hong Kong Disney Land”がありますが、自社キャラクターを推していくDisney Landと異なり、Ocean Parkはパンダを始めとした動物との触れ合いとアトラクションを融合した総合型テーマパークとなっています。また、意外と広く、園内交通だけで2,3種類の乗り物があります。
HKUST MBAとは従前から付き合いが深いそうで、9月前半にはOcean Parkからハロウィンイベント用のディスカウントチケットが提供されていました(笑)
Ocean Park Case Competitionとは何をするのか?
“Ocean Park Internal Case Competition”は8月前半の約1-2週間を使って行われます。
もちろんこの期間を全てこのイベントに使えるわけではなく、通常通り行われるその他の授業やネットワーキングイベント等と並行し、各チームでプロジェクトを進行させていきます。
<期間初日:Case Competitionの説明会&見学会>
まず、Case Competitionの説明会が開かれます。この説明会に先立ち、事前にA4で80ページくらいの資料が渡され、説明会までに全て読み込んでくるよう指示があります。これが中々辛く、他の日本人クラスメイトには既に大苦戦して睡眠時間を削っている方もいました。
説明会にはOcean ParkのCXOクラスが登壇し、Ocean Parkの概観や抱える課題、Case Competitionを通じてHKUSTに求める期待値等が説明されます。
その後、全員でバスに乗車し、Ocean Parkに向かいます。Ocean Parkに着いてからは各チームに分かれ、見学という名目でOcean Parkを楽しむ自由時間となります。
<2日目以降~:リサーチ、資料作成、プレゼン準備>
事前に与えられた資料や現場視察、また自分たちの調査等を踏まえてディスカッションを重ね、Ocean Parkから与えられたテーマに沿って資料を作成していきます。
コアチーム最初のチームワークということもあり、どのチームも気合は十分です。私のチームでは、中国人の男性とインド人の女性が最初から最後まで激烈なディスカッションを繰り広げていました。結局このディスカッションはグループワークに留まらず日常生活での協力体制にも悪影響を及ぼし、この二人の関係性はケースコンペ終了後1か月経つ今も修復できておりません(笑)
とにかく、各チームで資料を作り上げ、プレゼン練習を重ね、当日に備えます。
<最終日:プレゼンテーション・表彰>
午前中に、6~7チームを1ブロックとして予選が行われます。各ブロックを勝ち抜いた優秀チーム合計3チームが、午後にOcean ParkのCXOに対してプレゼンを行います。
私のチームは幸運にも予選を勝ち抜くことができ、無事決勝戦でプレゼンを行うことができました。
Ocean Park Case Competitionを通じての学び
大きく3つあります。
1つ目に、MBA期間中に自分が貢献できる方法は沢山ありそうだと気付けたこと。
これまで戦略コンサルタントに囲まれて仕事をしてきて、自分では当たり前だと思っていたことが周りから見れば実はハイレベルであったということが多々ありました。
例えば、「スライドを作る際の手順・方法」「クリティカルシンキング・構造化」「納得感を出すストーリーラインの作り方」等の比較的大元となるところから、「綺麗なパワーポイントを作るコツ」「プレゼンテーションスキル」等のテクニック的な部分でも、感謝される機会が多くありました。
コンサルに限らず、自分では平均的と評価している能力が他の人から見ればエクセレントであることは多々あるはずで、どのような人もMBA中に輝く方法は恐らく沢山あると確信しました。
2つ目に、多国籍なチームでのディスカッションの難しさを学べたこと。
5人という少人数のチームにおいてすら、他のメンバーを納得させることが非常に難しいことに気が付きました。とにかく納得するまで意見を変えない方が多く、折衷案で妥協するということもまずないので、一つ意見が食い違うだけで大変骨が折れます。
上意下達の傾向が比較的強い日本企業で働いていると、うんざりするような感情を覚える人も多いかもしれません。
このディスカッション・ネゴシエーションに関するスキルアップに関しては、MBA中に強化したい部分でもあります。
3つ目に、クラスメイトに恵まれていることに気づけたこと。
このオリエンテーション期間を通じ、四六時中クラスメイトといたことでお互いの人となりの把握が大変良くできました。そして全てのクラスメイトがフレンドリーで協力的です。困っていれば必ず助けてくれますし、また、お互いのスキルシェアをすることに大変積極的です。まだまだMBAは長く続きますが、彼らのお陰で何とかやっていけそうです。
他にも多くの学びがありますが、それらは是非ご入学された際にご経験して頂ければと思います。なんにせよ、非常に有難いプログラムですので、心から皆様に推奨致します。
“Ocean Park Internal Case Competition” は歴代の入学者が全員体験する必修科目のようなものです。学びが多く且つとても楽しいので、ご覧の皆様にも是非ご経験頂ければと思います。
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