アジア留学協会にて毎年実施している、「主要アジアMBA各校 日本人進学数 2021年」の調査結果をご紹介します。
サマリー
・香港・シンガポール・台湾は入境可、中国大陸は留学生ビザの発行制限がされており入境不可
・2021年入学者のクラスサイズは、シンガポール国立大学(NUS)とCEIBSが最も大きく120名
・2021年入学者の日本人比率は、香港大学(HKU)が最も高く11.4%
・Covid-19前後でクラスサイズ・日本人進学数共に減少
・香港民主化デモ・Covid-19の影響があり、アジアMBAの日本人進学数は2018年から減少傾向
・グローバルで見ると、Full-time MBAの出願ボリュームは2021年はCovid-19前より増加
留学生の入境状況
前提として各エリアの2021年入学時点(8~10月)時点での留学生(※)の入境状況は以下の通りです。
(※)学位取得予定のFull-timeMBA生
留学生(※)の入境状況一覧▼
中国大陸 | 留学生ビザの発行制限されており、入境不可 ※北京大学・清華大学・復旦大学は中国国内にいない学生向けにはオンライン授業を実施。CEIBSは2021年はオンライン授業を実施せず、原則中国国内にいる人のみ入学(外国人でも国内にいる人は入学可) |
香港 | 所定の手続き・隔離を経て入境可 |
シンガポール | 所定の手続き・隔離を経て入境可 |
台湾 | 所定の手続き・隔離を経て入境可 |
アジアMBA各校 日本人進学数・クラスサイズ・日本人比率 (2021年入学)
学校名 | エリア | 日本人進学数 | クラスサイズ | 日本人比率 |
---|---|---|---|---|
中欧国際工商学院 (CEIBS) | 上海 | 4 | 120 | 3.3% |
復旦大学 | 上海 | 0 | 104 | – |
清華大学 | 北京 | 1 | 84 | 1.2% |
北京大学 | 北京 | 1 | 71 | 1.4% |
香港科技大学(HKUST) | 香港 | 2 | 72 | 2.8% |
香港大学(HKU) | 香港 | 5 | 44 | 11.4% |
シンガポール国立大学(NUS) | シンガポール | 8 | 120 | 6.7% |
南洋理工大学(NTU) | シンガポール | 1 | 52 | 1.9% |
シンガポール経営大学(SMU) | シンガポール | 2 | 64 | 5.0% |
国立台湾大学 GMBA ※ | 台湾 | 3 | 70 | 4,3% |
<調査概要>
調査対象:2021年入学の中国大陸・香港・シンガポール・台湾の主要校のFull-timeMBA日本人進学数、クラスサイズ
調査方法:各校MBAオフィスへのヒアリング
調査期間:2021年10月~11月
<注釈>
※国立台湾大学 GMBAはFull-time, Part-timeの区分はなく、クラスサイズはGMBA全体の数字
シンガポール国立大学(NUS)とCEIBSのクラスサイズが最も大きく120名
更にシンガポール国立大学(NUS)の日本人進学数は8名と主要アジアMBA各校の中では最多。
日本人比率が最も高いのは香港大学(HKU)で11.4%
香港大学(HKU)はクラスサイズが44名と小さいため、日本人5名のインパクトが大きく比率が高くなっている。
Covid-19前後での比較
Covid-19前後でアジア各校のクラスサイズは減少
クラスサイズの増減は平均で89%と、アジア各校のクラスサイズは減少。特に香港エリアは民主化デモ、Covid-19の影響が重なり、香港科技大学(HKUST)は64%、香港大学(HKU)は86%と他のエリアと比較し減少幅が大きい。
日本人進学数は大きく減少
Covid-19前後で比較するとクラスサイズが89%に対して、日本人進学数は63%と大きくダウンしています。これは社費留学生の派遣中止や、パンデミックの状況下において留学に対して慎重な姿勢を取っている人が多い影響が出ていると考えられます。
アジアMBA各校 日本人進学数の推移
調査対象:Full-time MBAの日本人進学数
<注釈>
※Covid-19の影響により長江商学院は2021年Global MBAプログラムの募集を停止、香港中文大学(CUHK)はクラスサイズ・日本人進学数非公開のためデータなし
香港民主化デモ・Covid-19の影響があり、アジアMBAの日本人進学数は2018年から減少傾向
アジアMBAは香港民主化デモ、Covid-19による入境・行動規制の影響があり、2018年以降減少傾向。中でも2021年の日本人進学数は過去10年で最も少ない24名となった。
全世界のFull-time MBAプログラム出願数ボリュームの増減
ここでGMATを実施しているGMACが2021年11月に発表した“Application Trend Survey Report 2021”のデータをご紹介します。このレポートによると全世界のMBAプログラム(合計450)のうち、Full-time MBAプログラム(1年制&2年制)のうち2019年と比較し2021年は“出願数が増加した”と報告したプログラムの割合が高くなっています。
<出典>GMAC “Application Trends Survey 2021”
グローバルで見ると、Full-time MBAの出願ボリュームは2021年はCovid-19前より増加
2021年はCovid-19直後の2020年と比較すると出願数が増加したプログラム数の割合は減少したが、Covid-19前の2019年より出願数は増加している。
ここまで2021年の主要アジアMBA各校のクラスサイズ、日本人進学数、日本人比率、推移、グローバルの出願数ボリュームの増減を見てきました。Covid-19は留学生に大きな影響をもたらしました。2021年のFull-time MBAプログラムは、アジアMBA各校の日本人進学数は大きく減少したものの、グローバルでは出願ボリュームは増加しています。
これから留学を目指す方は最新情報を常にチェックしながら、自分が希望する留学の形が実現できるよう準備を進めてください。