プロフィール
名前 | 日比野 健吾 Hibino Kengo |
入学年齢 | 27歳 |
学歴 | 東京理科大学経営学部経営学科 (2013年3月卒業) |
職歴 | セコム(株) |
留学方法 | 社費 |
海外経験 | (MBA前)幼少期、香港に在住 |
アジアビジネスを学ぶため香港へ(選んだ理由)
社会人3年目の2015年、社費留学制度に応募し資格を頂いたのが、MBAという長い物語の始まりでした。世界のどこのMBAに挑戦するか迷っていましたが、元々アジアビジネスを学びたかったことと会社が今後アジアに力を入れていくこともあり、東南アジアもしくは香港に選択肢を絞りました。
その後、香港中文大学を卒業された先輩社員より「香港に位置する学校を選ぶことで、東南アジアを含めたアジア全体のビジネスが学べるよ。また、香港中文大学はChina Businessで有名だよ」と話しを伺い、志望度がグッと上がりました。また、香港中文大学のMBAプログラムはアジアで最も長く歴史を持ち、広範な卒業生とのネットワークが築けることは、今後アジアでビジネスをする上でこの上ない武器になると考え、最終的に香港中文大学への進学を決めました。
全体スケジュール
<取得コース数>
各タームで取得したコース数
<忙しさ度合>
各ターム毎費やした時間を%で表示
プレターム以前の2017年6月より香港中文大学キャンパス内に立地しているYale-China Chinese Language Centreにて中国語のサマータイムコースに約2ヶ月間通いました。これは香港中文大学MBAが提供している無料プラグラム(※)の一つであり、私自身にとって、中国語に初めて触れる機会となりました。(この時は、現在2020年に至るまで中国語を勉強し続けるとは夢にも思いませんでした・・・)
※本無料プラグラムは、MBAのスクール生に与えられるもの一つですが、決して全員に提供されるものではありません。私の代では3人のMBAスクール生が無料プラグラムを受けることとなりました。年によって異なるため採用担当者への確認が必要となります。
また、1年目と2年目の間、交換留学先とした北京の清華大学ビジネススクールが開始するまで約2カ月間の時間があったため、北京語言大学に通学し中国語学習漬けの日々を送りました。
印象に残っている授業
Remodeling & Fundraise in Asia
この授業は、スタートアップ企業と学生が約5ヶ月間協働し、最後には資金調達を目的にエンジェル投資家の前でプレゼンテーションを行うという授業です。私のグループは、深センに拠点を構える中国企業と協働しましたが、意思疎通言語は中国語のみという言語の問題をはじめ、様々な理由から我々のパートナーである中国企業との関係構築がなかなか上手くいきませんでした。結果、情報収集が不完全の状態で満足のいくプレゼンテーションは出来ず、投資をして貰うことはできずプロジェクトは失敗に終わりました。
苦い思い出の一つですが、私自身中国企業と実際に協働する経験は初めてであり、中国でビジネスをするためには何を大切にするべきかなどを考える機会となりました。
China Trip
中国の成都を訪れ、四川大学商学院MBAでの短期講座を受講、また現地学生とのネットワーク構築の機会を得ました。さらに、物流企業・牛乳製造工場・IT企業・病院などを訪問し、それぞれの専門家から話を伺うことが出来ました。
かつて中国で起きた食品偽装問題などから、私自身、中国の食品品質に関して多少の不安を抱いていましたが、実際に牛乳製造工場で見た品質管理のレベルの高さは想像以上であり、良い意味で期待を裏切られました。
香港中文大学について
快適なクラスサイズとダイバーシティ
私が在籍した香港中文大学の2017年度の学生数は72名と欧米系のMBAに比べると非常に少ないですが、クラスメイト一人一人の細かい性格まで把握出来、私にとっては非常に快適なクラスサイズでした。またクラスメイトは下記の通り12の国と地域から構成されています。
中国本土に近い立地
香港中文大学から中国本土の深セン(大学の最寄り駅である大学駅からイミグレーションの羅湖駅)まで約20分と非常に近く、中国本土を訪れるのには最適な場所に位置しています。この好立地条件を活かし、2018年の3月頃から5月頃まで週に2回ほど深センまで中国語のレッスンを受けに行っていました。私はこの時期から本格的に中国語の学習をスタートさせ、9か月後の2018年12月にはHSK5級(※)に合格することが出来ました。
※HSK=中国政府公認の中国語資格
交換留学先、清華大学について
清華大学は1911年に設立し、北京大学と並ぶ中華人民共和国における最高峰の大学の一つとして位置付けられています。また私が交換留学先に選択した清華大学のMBAプログラムは1991年から開始しました。尚、交換留学生のMBAプラグラムは交換留学生だけで構成されるクラスであり、残念ながら現地中国人学生との交流は皆無に等しいです。しかしクラスメイト約50名のほとんどがヨーロッパからの学生であり、香港中文大学ビジネススクールとはまた異なる雰囲気を味わうことが出来ます。
清華大学で受講した印象に残っている授業を一つ紹介します。“Business Innovation in an Interconnected World”という授業では、様々な中国企業のケーススタディから外資企業と中国企業の競合(Uber VS DiDiなど)を学び、多くの中国企業を知る機会となりました。
香港・北京での生活面について
1年間滞在した香港は日本人である私にとって予定調和の世界であり非常に心地よく安心して生活が出来、一方で約半年間生活した北京では電子決済サービス、シェアリングエコノミーや配車サービス、またAIを用いた顔認証システムなどの最先端技術に触れる機会があり、私の想像を遙かに超えた未来社会が現存しており、刺激に満ちた生活を送ることが出来ました。
未来のアジアMBA生への応援メッセージ
MBAを通じて知識や経験を積むことが出来るのは当然ですが、私自身一番大きな財産は、香港中文大学で知り合えた友人だと感じています。香港中文大学のMBAに挑戦した当初、まさか自分が清華大学へ交換留学しているとは思いもしませんでしたが、それもクラスメイトの影響でした。
MBAには自身に大きな影響を与える人や出来事が必ず待っています。MBAの受験準備や実際の授業を通じて、多くの困難と遭遇するかと思いますが、諦めずに頑張ってください。心より応援しています。