中国語短期留学をしてみたいと思った時に、多くの方は自費で行かれるため「どのぐらい費用がかかるのか?」というのはとても気になるポイントだと思います。お隣である中国への短期留学は、欧米への英語留学と比較すると学費・滞在費・移動費が安く、1週間の短期留学なら20万円程度とかなりリーズナブルな価格で行くことができます。
今回は社会人・大人向けの『中国語 短期留学』にかかる費用を項目別にご紹介します。
『中国語 短期留学』費用の考え方
まずは『中国語 短期留学』にかかる費用を項目別に見てみましょう。
- 学費:語学学校、または大学付属語学教育機関の授業料
- 滞在費:ホテル、学校の寮、民泊、またはホームステイ
- 移動費:往復の航空券代、現地での交通費
移動費は中国国内であればあまり変わりませんが、学費・滞在費はどのタイプを選ぶかにより変動します。以下それぞれの項目毎にタイプ別の費用相場を見ていきましょう。
学費
学費は「学校のタイプ(語学学校または大学付属語学教育機関)×期間」で決まります。学校タイプ別にそれぞれの授業料相場をご紹介します。
語学学校
マンツーマンレッスンで、1レッスン(50分~1時間)あたり150元~200元(2,400円~3,200円)程度の授業料となります。レベル(初級~上級)、レッスン内容(日常会話、HSK試験対策、ビジネス中国語)などにより、それぞれの語学学校で授業料は異なりますが、レッスン単価×トータル時間数に応じて授業料は変わってくると考えてください。
<例>1週間の短期留学で平日5日間、1日あたりマンツーマンレッスンを5レッスン(期間中合計25レッスン)を受ける場合
150元/レッスン×25レッスン=3,750元(60,000円)
大学付属語学教育機関
大学付属の語学教育機関のレッスンはクラス形式(最大20名)の授業のため、レッスン単価は語学学校より、ずいぶん安くなります。ただし、最低でも2週間以上、そしてあらかじめ学校側が定めたスケジュールに合わせて参加する必要がある点、注意が必要です。
タイプ別授業料目安
大学付属の語学教育機関では、通常1学期単位で受講が可能なレギュラーの「中国語プログラム」と夏休み期間に開催される「中国語短期集中プログラム」の2つタイプが開催されています。
タイプ | 授業料目安 | 期間 |
---|---|---|
中国語プログラム | 8,600元~18,000元
(137,000円~288,000円) ※1学期間、授業時間20時間/週の場合 | 4週間~12週間
※通常は1学期間である12週間が基本 |
中国語短期集中プログラム
(主に夏休み期間) | 3,500元~12,000元
(56,000円~192,000円) ※4週間、授業時間20時間/週の場合 | 2週間~4週間
※多くのプログラムは4週間設定 |
※中国滞在期間が15日を超える場合はビザの取得が必要になります
※授業料は各学校により異なります。各学校の詳細は下記ページを参照、また最新情報は学校オフィシャルサイトで確認してください。
滞在費
ホテル
例えば北京市内の場合、市内中心部にある語学学校から徒歩圏内のホテル相場は6,000~10,000円/泊です。中国のホテルは日本のビジネスホテルと比較すると、部屋の広さは最も小さいタイプで通常20~30平米ほどあり、一人では十分すぎる広さでとても快適です。また中国のホテルの宿泊料金は部屋単位で値段が決まっているため、定員以内であれば一人でも二人でも宿泊費は変わりません。
大学の寮
大学付属の語学教育機関に留学する場合は、キャンパス内の寮に申し込むことができます。費用の目安は、シングルルームで120~200元/泊(1,920~3,200円/泊)とホテル滞在よりかはずいぶんコストを抑えることができます。注意しなければならない点としては、必ずしも空きがあるとは限らないため、プログラムへの出願・申込が終了した時点での問い合わせを行う必要があります。また大学によってはシングルルームの数には限りがあり、ダブルルーム(相部屋)になる可能性もあります。
寮なので、部屋の広さ、設備のクオリティはホテルと比較すると見劣りはします。しかし、社会人になるとなかなか大学内に住む経験はできません。そして何より教室と学食までとても近いので、学校生活を中心に送る場合は非常に便利です。宿泊費もずいぶん抑えることができるので、大学付属の語学教育機関へ短期留学する際には、選択肢の一つとして考えてみるのが良いのではないでしょうか。
民泊・ホームステイ
中国でもAirbnbなど、民泊を利用して宿泊をすることもできます。宿泊費は、ホテルよりかは安く、大学寮よりは少し高めという価格帯で利用ができます。ただ、民泊は中国語コミュニケーションが問題なくできる方のみお勧めします。Airbnbの検索でも「ホストの可能言語」で英語フィルターをかけると、対象件数が約1/4程度に減ります。また、中国のアパートメントは新旧問わずよくトラブルが発生します。例えば、お湯が出ない、水漏れがする、鍵が閉まらない、冷暖房が効かない、エレベーターの故障、警報機が止まらないなどなど、日本と比較するとトラブルの頻度はとても高いです。滞在期間中こういったトラブルが起きた際に、管理人への連絡・対応を自力で行う必要がある点、あらかじめ認識しておきましょう。
ホームステイは語学学校で授業を受ける場合、その学校がホームステイ先の紹介をやっているケースでは、学校側からホスト先を紹介してもらう形でホームステイが可能です。
民泊・ホームステイに共通して言えるメリットとしては、キッチンが利用できる点です。長い滞在だと食費を抑えたいと思い、自炊を検討するケースもあるかと思います。しかし、中国のローカルレストランはとても安く、美味しいです。中華と一言で言っても、北京料理、四川料理、広東料理、湖南料理など、各地方で名物料理、味付けが異なり、都市部であれば色んな地方のレストランが集まっており、それぞれ食べ比べするのも楽しいです。価格帯も、ローカルレストランであれば1日の食費は100元(1500円)でお釣りがきます。さらに、ここ数年フードデリバリー(中国語で「外卖(ワイマイ)」)が急速に発展し、ほぼ全てのレストランが宅配を行っています。このように中国では、短期留学のような限られた期間であれば、自炊に時間と労力を割くのではなく、外食・フードデリバリーのみでも決してコスパは悪くありません。
移動費
航空券代
東京⇔北京(往復)航空券価格の相場は5万円程度。フライト時間も3時間半程度と、半日で移動が可能な距離です。
※中国が長期休暇となる春節(旧正月。時期は毎年1月末~2月末で変動、1週間のお休み)、国慶節(10月初め、1週間のお休み)期間は航空券の値段が上がります。同時に学校もお休みとなり、この期間の短期留学はできません。
航空券検索は各社横断で価格比較ができるSkyscannerが便利です。
現地交通費
中国国内での現地交通費は極めて安いです。例えば、
- 空港からホテルまでのタクシー代、約100元(約1,600円)
- 地下鉄の乗車料金は距離に応じて3~8元(48円~128円)
- バスの乗車料金は2元~(32円~)
- シェア自転車、30分あたり1元(16円)
都度タクシーで移動すれば多少金額はかかるかもしれません。しかし、せっかくの短期留学。旅行よりかは時間に余裕があるはずです。街の雰囲気、車内の様子、現地の人が話している中国語に触れるには電車・バスが一番です。近距離であれば、シェア自転車に乗って移動するのも楽しいですね。
このように、中国国内の交通費は日本と比較すれば、非常に安く、気になる金額では全くありません。是非用途に合わせて、タクシー、地下鉄、バス、シェア自転車を使い分け、移動も楽しんでみてください。
結局、『1週間の中国語 短期留学』費用目安はいくら?
つまるところ、「1週間の中国語 短期留学」はいくらかかるのか? ここまで見てきた、学費・滞在費・移動費を合わせて、試算してみたいと思います。
設定
- 語学学校に1週間の短期留学(土曜日に中国入り、翌週日曜に日本戻り)
- 平日5日間、1日あたりマンツーマンレッスンを5レッスン(期間中合計25レッスン)を受講
- 滞在先は語学学校付近のホテル(8泊9日)
費用
- 学費:150元/レッスン×25レッスン=3,750元(60,000円)
- 滞在費:6,000円/泊×8泊=48,000円
- 移動費:往復航空券50,000円+現地交通費3,000円=53,000円
- その他:食費20,000円、観光費(入園チケットなど)
<合計>181,000円~
このように1週間の短期留学であれば20万円あれば、十分実現が可能です。海外旅行に1週間程度行くと20万円ぐらいかかるケースも多いと思うので、ほぼ変わらない金額ですよね。そう考えると、かなりリーズナブルではないでしょうか。何より1つの場所に腰を落ち着けて1週間以上滞在し、その土地に住む中国語の先生とコミュニケーションをすることでローカルな情報収集もしつつ、ちょっとした「中国に住む」感覚を体験することは、旅行では得られない刺激、発見があるはずです。是非次回の長期休暇では、「中国語 短期留学」検討してみてはいかがでしょうか。
※為替レートは1元=16円で換算しています(2020年1月現在)