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【香港の金融業界で働く】就職に役立つ資格証明書とは? Vol.2 CFA&CFA institute Investment Foundations Program

第1回目の「Vol.1 概要&Licensing Examination for Securities & Future Intermediaries」に続き、第2回目は金融業界の中では非常に価値が高い「CFA&CFA institute Investment Foundations Program」について、香港金融業界で10年のキャリアをお持ちの猪原英治さんに解説して頂きます。

目次

プロフィール

Inohara Eiji

猪原英治(いのはらえいじ)

香港在住11年。香港中文大学2009年卒(MBA)。日系大手銀行の香港現地法人、米系金融ベンダーを経て現在は米系プライベートバンク勤務。2018年CFA取得。香港在住の日本人の方を対象に、統計の基礎をエクセルを使い学んでいくワークショップ“Learn Statistics を開催中。Twitter:@eiji_inohara

Chartered Financial Analyst (CFA)

CFAは金融業界の中では非常に価値の高い証明書であり、世界的に評価されていることからグローバル・パスポートと呼ばれます。香港の金融業界で働く人の間では知らない人はいないと言って良いと思います。

CFA試験概要

試験はレベル1からレベル3までの3段階にわかれており、順番に合格していく必要があります。

レベル1は毎年6月と12月に実施、レベル2とレベル3は毎年6月の年一回実施されます。すべてのレベルの試験で午前の部と午後の部にわかれており、それぞれ3時間、合計で6時間の長丁場となります。レベル1とレベル2は全問選択問題、レベル3のみ午前の部は筆記、午後の部は選択問題となります。

試験内容は多岐に渡ります。職業倫理、計量分析、経済学、財務諸表分析、コーポレート・ファイナンス、株式分析、債券分析、デリバティブ、オルタナティブ投資、ポートフォリオ・マネジメントが含まれます。それぞれの加重はレベルによってことなり、レベル1とレベル2はあまり変わらないのですが、レベル3になるとポートフォリオ・マネジメントの加重がぐっと増えることになります。

ただし、試験内容は毎年少しずつ変わります。一度落ちても、同じテキストで再挑戦するのではなく一番新しいテキストでもう一度勉強されることを強く推奨します。より詳しい、正式な説明文はCFA Instituteもしくは日本CFA協会のページをご参照ください。

より詳しい、正式な説明文はCFA Instituteもしくは日本CFA協会のページをご参照ください。

Society Japan > CFA Program

カプランでもメインの講座として位置づけられており、対策講座と試験内容についての説明が掲載されています。

Kaplan Financial > Chartered Financial Analyst

試験内容や試験の頻度、また料金についも記載されています。料金については変更される可能性もあるのでかならず最新の料金をご確認ください。一点、試験の申し込みが早いほど安くなる仕組みがとられていますので、申し込みが遅くなると料金が高くなる点、注意が必要です!

CFA受験体験記


CFA Instituteもしくは日本CFA協会のページを読むと、試験概要については大体理解頂けると思います。CFAの勉強法については色々な方がブログなどで説明をされていますので、それらも参考にされてください。

ここでは私の実体験を書いていきます。私がこの試験の勉強を開始したのは7年前であり、合格には6年を費やしています。レベル1,2、3と順番に一度で合格していけば最短で一年半で合格することも可能ですが、私はアセットマネジメント業界にいたわけではなく、ほぼゼロ知識からのスタートでした。正直統計については標準偏差の意味すらわかっていないという状態で、大学で全く勉強してこなかったことを後悔しながら勉強を開始しました。

香港人に聞くと、「レベル1は簡単。3ヶ月くらい真面目に取り組めば受かるよ。」と言われることがありますが。真に受けないほうが良いと思います。幼稚園のころから英語教育があり、あらゆる試験を受けつづけてきて、今現役で金融の世界で働いている香港人と私のような日本の大学をあまり勉強もせず卒業してしまった日本人では状況が全く異なります。

私の場合、レベル1からレベル3まできれいに一回ずつ落ちました。レベル1は一度落ちたあと、半年後の試験は勉強が間に合わずスキップしていますので、レベル1だけで二年くらい勉強していたことになります。とはいえ、もし独身で勉強する時間がとれていたら、一年で受かったかもしれません。産まれたばかりの子供がいたため、勉強時間は通勤のバスの中と出勤前のスタバだけという状態でした。香港のバスはよく揺れるので吐きそうになったことも何度もあります。

勉強法はほとんどの人が行うように、カプランのテキストを読みこんで勉強していきました。オフィシャルテキストではなくカプランを選んだのは、カプランの方が要約されているので早く読めるということもありますが、前述のように勉強時間はバスの中がメインという状態ですので、テキストを毎日持ち歩く必要があり、少しでも軽いテキストが良かったからです。オフィシャルテキストは紙質が良い分重いので、比較的軽いカプランのテキストをカッターで半分に切って読んでいくことにしました。

今思い返すと、一番大変だったのはレベル1です。私はどんな英語を読んでも頭で日本語に翻訳しないと理解ができないようになってしまっているため、やはり新しいことをはじめから英語で学習していくのは非常に大変でした。そのためAmazonで関連する日本語の参考書をたくさん買い込み、同時並行で読んでいくことにしました。日本のAmazonでCFAで検索するとおすすめに表示される本はほとんど買ったと思います。これだけで10万円くらはかかりました。統計にいたっては日本語の本ですら初めは意味がさっぱりわからず、どんどん初学者向けの本にさかのぼっていきました。結果CFAの計量分析の章に書いてあることがようやくうっすらとわかったのは勉強を開始してから一年たった頃でした。

レベル1

レベル1を1回目に落ちたときは、中途半端な理解で試験に臨んでいました。試験終了後には「意外と難しかったが簡単な問題もあったので、運良かったら受かってるかも。」と思いましたが、結果不合格でした。

一年後の再試験までに、カプランのテキストをもう一度読み込み、章末問題は全部解いた上で想定問題集も何回もやりました。想定問題集をやっていくと問題と答えを覚えてしまいます。本質がわかっているのか自問自答しながらすすめ、少しでも不安がある場合はテキストに戻って読み返すことをしました。結果、二回目は、「今回の試験は簡単すぎる。全員合格したんじゃないか。」と思えるほどでした。この感触についてはレベル1,2,3すべてに言えることで、少しでも不安のある結果ですとやはり不合格であり。絶対に自信があったときだけ合格となりました。そういう意味では非常によくできた試験だと思います。

レベル2

レベル2は、レベル1と同じ選択問題ですが、内容がぐっと深掘りされた上に、暗記しなくてはいけないことが格段に増えます。これもレベル1と同じように、おそらく本質がわかっていないままに試験に臨んだ一回目は不合格、夢でうなされるほどやりこんだ二回目はあっけないほど簡単で、結果合格となりました。

レベル2の勉強ですが、カプランのテキストと章末問題だけではなく、試験前にCFA Instituteのホームページに想定問題集が掲載されます。これを全て解いた上で印刷して何回も解きました。結果これが非常に有効で、似たような問題が本番でもたくさん出題された記憶があります。

レベル3

レベル3は、午前は筆記、午後は選択問題となります。筆記はエッセイだと誤解されることがありますが、要点を抑えて書けばいいので、エッセイのように長いものではありません。ただ、これもレベル1とレベル2同様、本質がわかっていないと何を書いていいのかさっぱりわからない内容が出題されます。ただ、ある程度パターン化はされていますので、過去問やカプランの想定問題集の答えを書き写し、覚えるまで実際に書いて何度も練習すれば大丈夫なはずです。問題は時間が足りなくなることです。最後の2、3問で簡単な問題が出題されることがあるので、筆がとまってしまったらその問題に拘らず次にいく勇気が問われます。

午後の選択式は、カプランのQBankを繰り返し解いて準備しました。全部で1600問ありましたが、全部解いた上で何回も繰り返しました。結果、2回目の挑戦で合格となりました。

レベル3に合格したらすぐにCFAの証明書がもらえるわけではありません。投資に関係する実務経験4年を満たしていることを申告し、CFA取得者からの紹介を得て、さらに年会費を払って会員になることが必要です。レベル3の発表から数ヶ月後で置き場にこまるほど巨大な証明書がCFA Instituteから郵送されてきます。

CFA受験者の傾向

香港でCFAの試験会場にいくと、受験者の多さに圧倒されます。受験者は香港人も多いですが、中国大陸から受験にくる方の方が多い印象を受けました。また試験前になるとスタバで勉強する受験者が増えてきます。2019年時点で香港でのCFA取得者の人数は7000人を超えています。日本は1000人強とのことですので、日本と人口比で考えると香港のCFAの割合の高さが伺えます。年齢は学生からかなり年配の方まで幅広く受験されています。


合格率はレベル1で40%程度、レベル2とレベル3では45から55%の間
というのが例年の統計のようですが、あまりこの合格率を気にしても意味はありません。前述の通り、「本質がわかっていれば合格できるし、付け焼き刃では不合格となる。」試験です。

そのため、ショートカットはないことを覚悟した上で、やはり公式テキストかカプランのテキストをはじめから読んでいき、章末問題を真面目に解き、本質を理解した上で回答できるまで過去問と想定問題集を何回も繰り返し解くしかないと思います。ただ、実際の試験ではそれほど意地悪な問題は見たことはありません。ちゃんと理解できていれば解ける問題ばかりですので、真面目にコツコツ努力すれば合格できる試験です。


お金も時間もかかりますし、かなり大変な道のりとなりますが、金融業界での就職、転職を強く目指されているならば挑戦する価値は必ずあります。ぜひ受験されてみてはいかがでしょうか。

CFA Institute Investment Foundations Program

この証明書は取得しても名前の後ろにつけることはできませんが、非常に良い試験だと思うので紹介します。誤解を恐れずに言うと、これはCFAをぐっと簡単にした入門者向けCFAです。試験はCFA同様、CFA Instituteが行なっています。

試験概要

試験内容はCFA同様多岐に渡ります。投資業界概要、職業倫理、経済学、国際貿易、財務諸表分析、定量分析、債券分析、株式分析、デリバティブ、オルタナティブ投資、リスク管理、パフォーマンス評価などです。詳細は以下CFA Instituteのページをご参照ください。

試験内容だけ見るとCFAと同じように思われるかもしれませんが、内容は本当に重要な点だけに凝縮してあります。

例えば財務諸表分析では、財務三表のつながり、Current RatioやROEなどの指標の意味などには言及しますが、CFAで受験者を悩ませる減価償却 の方法の違いや外貨換算の方法などは含まれておりません。数式での説明は最小限にしてあり、数式がでるところでも極めてわかりやすく平易な英語で解説してありますので、数学が苦手な方でも大丈夫なはずです。

内容は金融業界未経験の方を対象にした試験とのことで、冒頭部分は金融とはなにか、銀行とは、資本主義とはなにかというところから始まっています 。内容の一部は、CFAのレベル3で出てくる内容も含まれています。投資家別の特徴とは、VARなどのリスク管理手法とはなにか、ファンドのパフォーマンスをどのように測定するのかなどです。

受験方法

驚くべきことに、現時点ではこの試験は無料で受けることができます。

ウェブから登録をすると、Leaning EcoSystemというウェブ版でのテキストへのアクセスができるようになります。これを読んでいき、Leaning Mock ExamのAとBで70点を取ることができれば、最終試験がアンロックされ、最終試験を受けることができます。最終試験はウェブ上で行い、100分、100問の選択問題です。

合格すると、デジタルバッチとプリント可能な証明書をもらうことができます。デジタルバッチとはウェブ上で認証する小さな証明書であり、リンクドインなどに貼り付けることのできます。CFAでも同様のバッチがあります。そのため、名前の後ろに入れられるものではありませんが、必要最低限の知識はあるということで履歴書に書いても良いと思います。ただ、この試験自体を知らない方も多いとおもうので、CFAと勘違いされないようにした方が良いかもしれません。

勉強方法

ウェブ版テキストではなく、紙で印刷されたものを手元において勉強したい場合、米国のAmazonでオーダーすることが可能です。Volume1とVolume 2の2冊あります。かならず出版日を確認して最新のものであることを確認してから注文してください。

CFA同様、カプランでも対策講座が開かれています。

Kaplan – CFA Institute Investment Foundations Certificate

私はCFAを取得してからこの試験の存在に気が付きました。CFAを取得しているため受けることはありませんが、紙のテキストは購入して参考書として手元においてあります。もしこの試験をCFAの先に勉強していたら、CFAに6年も費やすことはなかったかもしれません。そのため、CFAの準備として勉強したいという方、金融業界に興味がもてるかどうか試してみたい方には是非お勧めします。

※免責事項
本記事に記載の内容は全て筆者の個人的見解によるものであり、所属組織とは無関係です。また記載の内容の正確性を保証することはいたしかねます。証明書の取得を検討する場合は必ずご自身で確認、問い合わせを行ってください。

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