【MBA在校生レポート】アジアMBA各校のコロナウイルス対応状況

目下世界各地で感染が拡大している新型コロナウイルス。封じ込め、感染拡大防止のために各国が様々な政策を行っておりますが、多くの学生が集う、大学・MBAプログラムにも大きな影響が出ています。「アジアで学ぶ」では各学校の在校生に緊急アンケートを行い、現時点での対応状況をレポートして頂きました。

 

中国大陸

北京大学

回答者:杉本 弘明さん(MBA Part-time Program, Intake 2019)

 

・授業への影響、学校の対応状況

選択科目は、オンライン授業で履修中。必須科目は、来期2020年9月以降へ繰り越し。

 

・学校側の対応について学生の反応

MBA授業の価値は、オフラインにあるので、クラスメイトはオンライン授業を支持しませんでした。ゆえに、大学側との交渉の結果、必須科目は来期2020年9月へ移行。大学側は、学生へのサポートをしっかり行い、学生の意見をかなり尊重してくれている印象があります。

 

・今感じていること&メッセージ

学生にできることは、学習を続けることなので、コロナウィルスに打ち勝つためにも、“停课不停学”のもとに、オンライン学習をよりよい形にしていくことが大切かと思います。

 

 

清華大学

回答者:森川 貴之さん(MBA Full-time Program, Intake 2019)

 

・授業への影響、学校の対応状況

既に2月からオンラインで開始されている一部の授業を除き、多くの授業は2ヶ月程遅れ4月中旬より順次開始予定です。

 

個人的には、ハードスキル系の科目はオンライン対応でも基本的に問題ないですが、ソフトスキル系の科目はf2fでの参加ができない分、どうしても学びとしての質は落ちる傾向にあるかと思います。また、画面越しの講義やプレゼンではネットワークトラブル等も度々起こり、通常授業では発生しない事象に対して時間を消費することもありますので、講義自体の効率性もやや落ちると考えます。

 

但し、大学での授業を優先するばかりに卒業時期がずれることは好ましくなく、私の場合はアメリカへの秋学期交換留学も決まっておりますので、今学期が後ろ倒しになり、そちらへ何かしらのネガティブな影響が出ることを考えると、オンラインでも授業が進行されたほうが望ましいです。いずれにしましても、清華大学のみならず世界中の多くのMBAプログラムも新型コロナウイルスでオンライン授業化されていますので、今ある状況で何ができるか考えることが重要だと思います。

 

・学校側の対応について学生の反応

滞在地域によっては、現地時間深夜帯に授業が行わる同級生もいます。その場合でも基本的にオンタイムでの参加が必須ですが、どうしてもやむを得ない場合や参加できない生徒には録画を配信し講義を受けさせるケースもあります。各国から生徒が集まっていますので、時差は当然の現象ですが、地域差で格差が出る現状に対して不満を持っている生徒が少なからずいるのもまた事実です。

 

ただ、中国では受講クラス毎にwechatグループが作られ、その中で教授やアシスタント(TA)と繋がっていますので、この様な不満も比較的運営側に直接汲み取られやすく、例えば、講義の時間帯や曜日をずらす、もしくは1コマを分割して2日で実施する等、柔軟な対応が取られている印象です。

 

・今感じていること&メッセージ

在宅勤務や外出自粛等で困難な状況が続きますが、敢えて見方を変えると通常時と比較し、自分でマネジメントできる時間が増えていると思います。現在受験生の方はMBA受験のみならず、MBA中の活動や、ポストMBAキャリアに目を向け更なる具体的な準備ができると理想かなと考え、自分にも同様に言い聞かせています。全ての受験生に、納得の行く結果が出ることを心から願っております。

 

 

CEIBS(中欧国際工商学院)

回答者:園田 祐介さん(MBA Full-time Program, Intake 2019)

 

・授業への影響、学校の対応状況

3月からZoomを使ったオンライン授業に切り替わっています。オフラインの授業同様、教授からの話だけでなく学生の発言も活発に行われています。

 

・学校側の対応について学生の反応

やはりオフラインに比べると学習効率が落ちると感じている学生が多いようです。

 

・今感じていること&メッセージ

世界でも日本でも、コロナは働き方や働く人の意識を大きく変えました。終身雇用や通勤等、これまで当たり前だった多くのことが当たり前でなくなってきています。そしてそれはコロナ収束後も元に戻ることは無いと思います。

 

100年に一度の変化を生きる我々に必要なのは、それまでの知識や経験の貯金で生きることではなく、変化を追い風にして変わり続ける力だと思います。私にとって退職、中国語学留学、中国MBA留学の一連の流れはその力を養う上で大きなプラスになっています。

 

みなさんが現在の変化をプラスに捉えて、前向きにキャリアプランニングを進められることを祈っております。

 

 

香港

香港科技大学(HKUST)

回答者:佐藤 拓也さん(MBA Full-time Program, Intake 2019)

 

・授業への影響、学校の対応状況

2月の旧正月休み以降、オンラインでの授業が続いています。学校側は、仮に対面授業を再開しても今期中はオンライン授業を同時に提供するとしています。寮については、自国への一時帰国から香港に再入国出来なくなってしまった学生に対して、退寮と残り夏までの期間分の寮費のリファンドが行われております。現在寮内には入学時の半数の30~40名程度が残っています。次の秋学期の授業や交換留学についてはまだ未定です。ただし、学校側は秋まで事態が長引くことを想定し始めています。

 

・学校側の対応について学生の反応

2月にオンライン振替を開始した当初の出来事については、こちらのサイトに「【MBA在校生レポート】荒波を越えて 今だからこそ伝えたい香港MBAのリアル:コロナウイルス編」という記事で詳細をレポートしています、是非ご参照下さい。

 

当初起こった授業料の返還を求める声等は、事態の世界規模での拡大に伴って「仕方ないか、、」という雰囲気になりつつあります。まだHKUSTは寮生活を通してクラスメートと毎日会えること、制限等はあるものの4月10日現在香港内の飲食店は営業しており外出可能なこと等を前向きに受け止めるようになっているように感じます。また私を含めて、中心街へ出社してのパートタイムインターンを始めている学生もいます。

 

(個人的には、昨秋学期はクラスメートとの一対多のコミュニケーションの時期でした。学食で2人で昼ご飯を食べ始めたけれど、気付いたら後から色んな人が加わって10人位のグループで食べていたみたいな。それに対してオンライン授業となったこの春学期は、私にとって一対一のコミュニケーションの時期です。オンラインとは言え、「こっちの部屋で一緒に受けない?」なんてお呼ばれしちゃったり、2人で高級ホテルのラウンジにコーヒー一杯で4時間居座ったりして。昨秋学期との違い?授業前にシャワー浴びるようになりました。ほら、まぁ一応。きっと経営学修士をとっても、学業成績に表れない頭の悪さは治りません。)

 

・今感じていること&メッセージ

進学先選びに関しては、状況も変わる為、国ごとのコロナの状況を比べることにあまり意味は無いかもしれません。特に今年についてはコロナの影響があることを想定して、再度自分の中でのMBAに行きたい理由の優先順位付けが必要かもしれません。

 

知識と勉強については、オンライン授業でも十分なインプットは可能です。そしてどんな授業形態であれ、卒業後はMBA取得者です。一方で、クラスメートとの関りについては影響を受けるかもしれません。しかし入学時期をずらして年齢を重ねると、卒業後の転職活動に影響があるかもしれません。個人的には、拾う為には捨てること、決めたからには腹を括って今に集中するということを心掛けています。

 

大変な時期ではありますが、一つ一つの決断と行動が将来の自分の糧になると信じて一緒に頑張りましょう!何かあればお気軽にお問合せ下さい。最後に、早く世界中の方が良くなりますように。

 

HKUST_打ち合わせ

香港島を眺める高級ホテルのラウンジにてコーヒー一杯で4時間居座りzoom授業受講

 

 

香港大学(HKU)

※ 以下の内容については、フルタイム生のMBAにおける対応ですので、パートタイムについては対応が異なる可能性があります。

 

・授業への影響、学校の対応状況

コロナウィルスの感染が拡大した1月下旬以降、香港大学のMBAでは通常の教室での講義に加えて、オンラインでの授業参加を認めるハイブリッド方式に切り替わりました。個々の学生の置かれた状況、安全に対する考え方の違いを配慮し、個人的に不安に感じる生徒、もしくは中国大陸や自国の検疫政策等で移動することが困難な生徒についてはオンラインでの授業参加を認めています。MBAオフィスは物理的な授業参加によるクラスメートとの対話や議論などの経験を重要視しているため、可能な限りこのハイブリッド方式を継続してきました。ただ、3月中旬より香港政府によるコロナウィルス対応が強化されたことに伴い、完全なオンライン授業に一旦切り替わっています。ハイブリッド方式については、2019年の反政府抗議活動が発生した際に香港大学では導入済みのため、今回のコロナウィルスで授業方式に特段大きく変更があったとは感じていません。

 

ハイブリッド授業では、主にZoom(一部WebEx)を活用しています。教授によってZoomの慣れに差があり、教室での授業に近い講義方式を実現できる教授(グループワーク等もZoomの中で実現)もいれば、ウェビナー形式のような説明中心の講義もありました。北米や欧州等からオンラインで参加する生徒への時差対応があるため、全て授業は録画されて後日視聴することが可能です。また、授業内でグループワーク等に参加できない生徒は教授と相談の上、別途課題が出されていました。

 

交換留学については、香港大学では全ての学生が、取得単位の一部についてアメリカ(コロンビア)、イギリス(ロンドンビジネススクール)、上海(復旦大学)、香港大学のいずれかで単位を取得することになっています。2020年4月11日時点では、アメリカ・上海については夏学期の交換留学中止、イギリス・香港はオンラインによる授業という状況です。また、卒業時期を延期することが可能な場合で、かつ教室での授業参加を希望する場合は、交換留学を秋学期もしくは翌年度に延期することも可能と打診されています。今後も適宜状況に応じて対応が変わっていくものと思われます。

 

なお、昨年度の反政府抗議活動から現在のコロナウィルスに至るまで、学内で物理的に活動を行うことに制限も多かったため、MBAオフィスは各産業の外部講師によるマンツーマンのコーチング、edXやCourseraのライセンス供与、またキャリア基金の設立(年間HKD12,000まで、各人のキャリアや能力開発に伴う外部講座受講の経費負担)等、MBA生の経験を最大化する取り組みが行われています。

 

上記の対応については、今年度のみの特例対応の可能性が高いため、参考程度にとどめて頂ければと思います。

 

・学校側の対応について学生の反応

昨年度の反政府抗議活動については、各自が外出時に注意したりすることでリスクを低減することができましたが、今回のウィルスに関しては目に見えないリスクのためクラスメートによって感じ方は大きく異なりました。本国に帰国する学生、逆に香港にいた方が安全とのことで香港に残る学生、反応は様々です。日本人のフルタイム生については、交換留学もあることから一旦皆日本に帰国しています。

 

MBA全般に関しては、昨年からの抗議活動に引き続きコロナが発生したことで授業やグループワーク、キャリア指導等が想定していたものと異なると感じる生徒は多いようです。MBA生のチャットグループでは、MBAオフィスに対してこのような環境下での改善を求める意見が飛び交いました。クラスの中で学級委員のような代表役が4名おり、その代表がMBA生の意見を吸い上げて文書化し、MBAオフィスや学内と質疑応答や条件改善の交渉をしてくれています。

 

・今感じていること&メッセージ

回答者:YTさん(MBA Full-time Program, Intake 2019)

私は日本政府の入管検疫対応が変更された3月初旬に、一旦日本に帰国しました。当初の上海への交換留学が取りやめとなり、MBAオフィスがアメリカの学校と交渉してくれて何とかアメリカに行けることになりました。現在のアメリカの状況では、早くて秋学期からの参加となり卒業は遅れてしまいそうです。私自身がコロナウィルスを退治できるわけでもないので、ネガティブに考えず、春休みが伸びてラッキーと思って過ごしています。個人的には大学生時代に中国留学していた時も、不幸なことに中国でSARSを経験しました。その際もネガティブに考えず、明るく過ごしていたことを思い出します。自分ができる範囲で自衛して、今後のシナリオを自分の中で整理しておけば、あとは前向きに楽しく過ごすだけだと思っています。

 

回答者:DNさん(MBA Full-time Program, Intake 2019)

私は授業がハイブリッド方式に変わった2月中旬に日本に帰国し、その後はオンラインで授業を受けています。必修科目は気心の知れたクラスメイトと一緒ですので、オンラインの良さと難しさを感じつつ、勉強に励んでいます。

今回の件は、先の読めない状況で自分は何をすればよいかを考え、実践する機会になっているようにも感じます。授業でリスクマネジメントのを学びましたが、実生活(ビジネス)には隔たりがあることを実感しました。それを乗り越えるためにはどうすればよいのか、クラスメイトや学校の対応を見て学ぶことが多いです。私はこんな時期にMBAにきているからこそ学べることがたくさんと思っています。

 

HKU_zoom

授業の様子、Zoomでマスクを着用しているのがキャンパスで受講している生徒、マスクをしていない生徒がオンライン参加の生徒

 

 

シンガポール

シンガポール国立大学(NUS)

回答者:村山 雅一さん(MBA Full-time Program, Intake 2019)

 

・授業への影響、学校の対応状況

授業は段階的にオンラインは移行。2月当初はまだ教室での授業が多かったが、途中から教室での授業をオンラインでも配信開始。4月上旬から全てオンラインとなります。

 

期末テストや最終プレゼンも全てオンライン実施となりました。実際どのようにテストを実施するのかは学校も検討中で、まだ不明確な点も多々あります。学校も日々変わる情勢への対応に苦慮している様子が伺えます。

 

COVID19の影響で中止になった授業もあります。MBAではスペインと日本へのstudy tripは中止となり、MRE(Master of Science (Real Estate) )ではベトナムへのstudy tripが中止となりました。

 

細かい点ですが、学生は1日に2度の体温測定と学校への報告が義務付けられています。報告を怠り、何度か注意勧告を受けると退学の可能性もあるという厳格な措置です。また、キャンパスでは至る所にテープが貼ってあり、「ソーシャルディスタンスを保つ」ための目印となっています

 

・学校側の対応について学生の反応

クラスメイトの反応は基本的に落ち着いています。ここまでの状況になるとしょうがないと。クラスメートとのコミュニケーションはWhatsAppのグループで引き続き行っています。

 

インターンシップについては当然ながら大きな影響を受けています。選考自体が保留になった企業も多いですし、私もある企業と契約直前まで来て「やっぱりなしで」と言われてしまいました。不安を感じている学生は多いと思います。

 

・今感じていること&メッセージ

不安がないと言えば嘘にのりますが、まずは自分の健康状態を保つこと、周囲への迷惑にならないよう、責任ある行動を取ることを心がけています。MBAの醍醐味であるクラスメートとの交流。この機会が減ってしまっていることは残念ではあります。ただ、この特異な環境を共に経験したという事実が、ある意味結びつきを強めてくれるかもしれないと前向きに捉えるようにしています。

 

受験生の皆さんは、「本当に留学出来るのか」と不安な気持ちでいらっしゃると思います。私たち在校生も同じく、学校生活がどうなるのか、就職がどうなるのか不安を抱いております。

 

このような時はなるべく自分のコントロール出来ることに意識を向けていきましょう。例えば、この機会を使って英語力の向上に取り組む。ノンネイティブの私たちにとって、英語力はどれだけ磨いても良いものです。英語力が高ければ高いほど、MBAでの学びも深まると思います。在校生の方にオンラインチャットをお願いするのも良いかもしれません。(私もいつでもwelcomeです)

 

このように、留学前に取り組める準備はたくさんありますので、前向きに時間を活用していきましょう。

We’ll get through this together. Stay safe!

 

NUS_social distance project

NUSキャンパス内には至る所にSocial Distanceの目安に赤いテープが貼られている

※写真:NUS Business School official Instagram account

 

 

シンガポール経営大学(SMU)

回答者:菅谷 哲雄さん(MBA Part-time Program, Intake 2019)

 

・授業への影響、学校の対応状況

通常授業については、シンガポール教育省(MOE)から発表される規制に応じて段階的にオンラインに移行しました。今のところ(4月12日時点)履修スケジュールに変更はありません。

 

対応状況詳細

  • 2月中旬:クラス52人を半分(チームAとチームB)に分割しました。今週はチームAがFace To Faceで講義に参加&チームBはオンラインでライブ参加といった形で、以降は週ごとに交代して回していました。
  • 3月下旬~現在:全員オンラインに移行しました。

その他、Exchange Programについては今後のコロナ状況次第でリスケジュールになる可能性があるとのことですが、卒業時期も現時点で変更予定はないとのことです。

 

・学校側の対応について学生の反応

クラスメイト全体の意見は全て一覧にまとめ、学校側とシェアしています。それに対して学校側は、QAセッションという形で回答+オンラインセッションを緊急で設けるアクションを取っていました。

 

オンラインクラスの際に発生した音声やコネクション問題といった緊急性の場合も、学校側がすぐに対応し(使用アプリの変更+操作マニュアル展開+マイク機材の入れ替えなど)、翌週には環境が刷新されて整っていたので、学生と学校側の距離は近く対応のスピード感もあります。

 

個人的な感想としては、オンラインのライブ講義でも生徒は”Raise Handボタン”で手を挙げて発言できるし、教授は名指しでCold callできるので、Face to Face講義と授業の質は変わらず進んでいると思います。(やはりクラスルームで受ける講義の臨場感に比べると自宅オンラインなので気づいたら集中力が…なんてことは多々ありますが笑)。

 

・今感じていること&メッセージ

学校側も生徒側も想定外のことでネガティブになりがちな時期ですが、学校側の積極的なアクションと情報共有のスピード、また生徒側も仕事+クラス予習で忙しいはずなのにイニシアチブをとっていく行動についてはさすがだなと感心させられる点が多々あります。

 

コロナの状況は世界共通なので、なるべく自分にとってプラスに働くことにフォーカスして乗り越えていけるように一緒に頑張りましょう!

 

 

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