広州にある「華僑の最高学府」、暨南大学(JNU)で学ぶMBA。魅力的な全学費免除の奨学金も!

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中国大陸の南、香港からも高速鉄道で1時間とほど近い、広東省の省都である広州にある「華僑の最高学府」とも言われる暨南大学をご存知でしょうか?暨南大学(JNU)のインターナショナルMBAは英語で授業が受けられ、さらに全額授業料免除も可能な魅力的な奨学金プログラムがあります。

今回は暨南大学のフルタイムMBAプログラムSino-International MBAに、この2018年9月から通う張さんに学校選び、出願プロセス、クラスの様子、暨南大学MBAの魅力などをお伺いしました。

目次

プロフィール

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張 嘉慧 (Kae Cho)

1992年生まれ、東京で生まれ育った日系華人2世。大学は立教大学国際経営学科に進学し、1年間BI Norwegian Business School(ノルウェー・オスロ)に交換留学。大学卒業後、都内の医療系IT企業に入社し、オンライン診療サービスの立ち上げに務める。入社2年半後に退職し、2018年9月から中国広州市の暨南大学のフルタイムMBAプログラムSino-International MBAに在学中。中国留学・旅行ブログ「PLAYGROUND」を執筆中。

暨南大学(JNU)を選んだ理由

昔から日中関係で将来活躍することを目標にしていたので、留学先は中国一択でした。

私は日本で生まれ育った日系華人2世です。現在のMBAプログラムに在学するまでほぼ中国語と無縁の生活をしていたため、話すこともできなければ長期で中国に住んだこともありませんでした。新卒で入社した日系の会社はとてもやりがいはありましたが、時間が経つにつれて「自分の市場価値」をより意識するようになりました。自分には何ができるのか、何をしたいのか、どんな自分になりたいのか、そんなことを考えていくうちに自分のルーツにまず戻り、出来なかった中国語を克服しながらリアルな中国を知っていくという目標を立てました。元々国際経営学科出身ということもあり、スキルアップも兼ねて様々な留学スタイルの中でもMBA留学をするという選択をしました。

暨南大学を選んだ理由としては、両親が広東省出身で暨南大学の卒業生ということもあり元々広州や大学には親しみがありました。当時の仕事の都合もあり、あちらこちらの大学を調べたり出願をするのが難しく、とにかく早く行動ができそうな大学という意味で情報収集がしやすい暨南大学のみ受験いたしました。なかなか衝動的な受験ではありましたが、暨南大学は広東省内の大学でも歴史と知名度が高い大学の上、フルタイムMBA「Sino-International MBA(SiMBA)」は「中国マネージメントを英語で学ぶ」というプログラムなので私にとってはピッタリだと思い、大学に対しても納得しながら受験が出来たと思います。

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管理学院の学部棟は暨南大学本キャンパスの中でも綺麗で大きい。一部天井筒抜けになっており開放的だ。

出願プロセス

SiMBAの受験は中国国籍枠と外国人枠で異なりますが、外国人枠は書類審査とインタビューの2部構成となります。

書類審査

書類審査に下記の書類提出が必要です。

  • 大学指定のアプリケーションフォーム
  • エッセイ
  • 大学の卒業証明書
  • 大学の成績表
  • 推薦状2通
  • 英語能力の成績(IELTS academic 6.0以上、TOEFL iBT 85以上、またはそれに準ずる英語の成績)

エッセイに関しては特に指定はありませんでしたが、当時の仕事やSiMBAを選んだ理由、何を学びたいか等について書きました。また、英語能力の成績はTOEFLが期限切れだったのでTOEICを提出しました。推薦状は大学時代の教授2名に依頼しましたが、書類審査用のエッセイや、どんなことを書いて欲しいのか「自己推薦状」を教授に送った方がいいかと思います。受験先にどんな自分をアピールしたいのか、推薦状の内容と擦り合わせるため、また教授の負担を減らし出来るだけ早く推薦状を受け取るため、推薦状を依頼する方には自己推薦状を用意しておく事をお勧めします。

インタビュー

遠方にいる場合インタビューはSkypeまたはWeChatのビデオチャットで行います。面接官は教授陣とSiMBA事務局の方で合計5、6人ほどいます。一般的には20分程度の面接と聞きましたが、私は5分ちょっとで終了しました。笑

書類審査とインタビューを元に審査が行われますが、成績上位には大学奨学金を得る事ができます。大学奨学金は学費全額免除と生活費(1000元/月)が在学中支給されます。大学奨学金以外にも広東省の奨学金があり、学費の半分がカバーされます。私の出願から奨学金取得までは下記のようなスケジュールになりました。

出願スケジュール

3月末:出願締め切り
4月上旬〜中旬:書類審査結果・インタビュー日程の調整の連絡受け取り
4月下旬:インタビュー
5月上旬:結果発表
8月上旬:大学奨学金獲得の連絡受け取り (広東省奨学金は入学してから手続きを行う)

受験や奨学金に関しての質問はSiMBA事務局担当者とWeChatで直接連絡が可能なため、とても迅速かつ気軽にやり取りを行うことができます。

SiMBA_class
SiMBAは実践型授業を多く取り入れている。フルタイムのいいところは、毎日会う仲間でも各授業異なるグループワークで互いの性格を様々な角度から理解できるようになることからクラス全体のチームビルディングを達成できるところだ。

授業全体のスケジュール

SiMBAはフルタイムのMBAのため、授業は全て必須クラスとなります。1年目に全ての授業を取り、2年目は卒論となります。

授業は1セメスターで10科目前後 (1科目2〜3単位)の授業あり、1年間で合計41単位が必要です。授業は週3〜4日の時もあれば、海外からのゲスト講師の場合1週間毎日同じ授業の日もあり、最初の1年間は授業スケジュールに合わせた生活となります。1科目あたり8〜9回授業行い、最後の授業で試験となります。

試験期間はほぼありませんが、ペーパー試験、レポート、プレゼンテーションと様々で試験スケジュールも各講師により異なるため、1年を通して課題や試験が常にあるイメージです。そして、授業を全て合格してはじめて次年度から卒論に取り掛かる事ができます。

2年目は基本的には卒論だけとなりますが、学校の交換留学プログラムを利用してフランスやイタリアやポーランド等のヨーロッパのビジネススクールに1セメスター分行く事ができます。ただ、交換留学先で授業をどれだけ履修しても本校の単位には反映されないので、経験値を上げるという意味で行く方が多いです。私の場合は、中国語語学学校を1セメスター分通いました。他にも仕事を始める方や、自国に帰る方などがいたので、卒論さえ自分で進めることができれば2年目は自分なりにアレンジする事が可能です。下記は2年目の卒論スケジュールとなります。

卒論スケジュール

1年目後の夏休み〜:卒論担当の講師と打ち合わせ、Thesis proposal作成
2年目9月:Thesis proposal 提出
10月前半:Thesis proposalプレゼンテーション
11月:Thesis proposalを事務局に提出
翌年3月中旬:卒論提出
3月下旬:First defense (口頭試問)
4月下旬:Final defense →合否発表
5月中旬:卒論最終提出

気をつけなければならないのが、1年目の授業で試験を落としてしまった科目は次年度で同じ科目を履修する必要があります。その科目が合格しない限り卒論を始める事ができず、卒業がその分遅れることになりますので1年目の授業で全授業を合格できるように準備が必要です。

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産業連携型のPBL(Project-Based-Learning)もあり、実際に企業のケースを取り扱ってビジネスプランを作る事ができる。5〜6人ほどのグループに企業の担当者と大学の担当教授が付く。

クラスプロファイル

クラスは35人ほどで構成されており、3分の2は中国人です。外国人は中東、東南アジア、アフリカ、東欧、南米から各国1〜3名ずつ、そして毎セメスター西欧から交換留学生がきます。そのため、ダイバーシティに溢れている事が特徴であると言えます。

10人ほどの外国人の中にも私のように留学で中国に来た人もいれば、元々中国在住歴が長く中国で自分の事業を行なっている方も多くいます。年齢層は20代後半〜30代前半が一番多く、一番若い人で24歳、一番年上で40歳のクラスメイトがいました。男女比は4:6ほどで女性の方が多いです。その女性陣の中でも子育てをしながら通学をしている方が5、6人ほどいたのが印象的でした。

フルタイムで毎日のように同じメンバーと顔合わせをし、各授業のグループワークがあるので一人一人と深いコミュニケーションを取る事ができます。またそれぞれの国が違うのでグループワークや、アクティビティ、課外での交流を通して、様々な異文化体験ができます。

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学期はじめにクラスでの係を決める。私はSecretary of activityに就任したため、クラスメイト交流のためのハウスパーティーを企画。

暨南大学のここが自慢

フルタイムプログラムであるSino-International MBA(SiMBA)は、その名の通り中国マネージメントをベースに国際社会でどう活かしていくかを学ぶプログラムです。Marketing、Corporate finance、Negotiation、Ethics等の一般的なMBAの授業に加え、中国思想、中国歴史、ビジネス中国語(その間に中国籍の人はビジネス英語を学ぶ)など、中国文化や中国人の根本的な考え方などを学ぶ事ができます。それらを踏まえながら多国籍なクラスでディスカッションやグループワークを行う事ができるので、中国を理解しつつ自分の視野を広くする事ができるのがSiMBAの魅力です。また、Eコマースなどトレンドに沿った授業もあり、ネットショップやORコード決済など中国生活おいて一番身近なビジネスを体系的に学ぶ事ができるのも中国のプログラムらしさだと思います。

また、暨南大学のMBAは世界3大アクレディテーションの一つであるAMBAの認定を受けており国際スタンダード的にも評価されているプログラムとも言えます。

暨南大学本キャンパスは広州市内の中心地に位置しています。また広州は昔から中東、南米、アフリカとのビジネスが多くアラブ街、アフリカ街ができるほど多国籍な場所として知られています。いわゆる新興国、発展途上国の生活を身近に感じる事ができる都市です。

グレートベイエリア構造でさらに発展を期待できる広州は、中国の中でも一番変化を感じる事ができながらも様々な文化が交差する場所です。もちろん日本駐在員が多いところなので日本コミュニティでの繋がりも増えます。MBAでの学習だけでなく外に出で色んな人と繋がり、色んな文化を肌で吸収できる、そんな機会に恵まれた環境だと思います。

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「華僑の最高学府」と呼ばれる暨南大学は、元から外国育ちの華人が集まる大学としてもよく知られていることからグローバル意識が強い大学である。

未来のアジアMBA受験生へのメッセージ

私がMBA留学をしてから、多くの友人から連絡を頂きました。「実は自分もMBAに興味がある」「私も留学したい、でも時期が…」など。殆どの同世代の悩みは金銭的な負担とタイミングの迷いで、行動に移す事ができない方が多かった気がします。特に女性は結婚や出産などを考える時期とスキルアップのタイミングで板ばさみになる方が増えていきます。今自分がどのライフステージにいるか次第で優先順位は変わっていきますし、どの選択肢も間違いでありませんが、挑戦したいというパッションがある限りそれを抑えつけたままにして欲しくはないと思います。

アジア留学は、日本からの距離が比較的近く、金銭的にも負担が少ないという事、英語能力も必ずしもGMATやIELTSが必要ではない事、そしてこれからアジア、特に中国の発展は無視できないという現実、様々な条件を含めても悪くない選択肢だと思います。

またMBAに進学するのは現地の中でも優秀な人、そしてアジアに留学する欧米、中東、アフリカの人たちもこれからアジアでのビジネスを意識している方が多いので将来に繋がるいい人脈を築く事ができると思います。そして日本からアジア留学はまだ少ないからこそ、その大学において自分が日本の代表となる意識を自然と持つようになります。どこの大学に行くかも重要ですが、自分がその環境の中でどれだけアウトプットできるかが大事です。当事者意識を持つということはアウトプットする力を養う事ができるので、環境をフル活用する事が大切だと思います。

私はフルタイムMBAを選択しましたが、自分の大学の場合卒論時以外で学校にコミットしないといけないのは1年だけですし、他にもpart-timeやオンラインなど様々な選択肢があります。金銭面でも元々他諸国のMBAより学費が安いだけではなく、中国内では多くの外国学生向けの奨学金が存在します。

何かをチャレンジするのに遅すぎることも早すぎることもありませんが、早いに越した事はないです。大事なのはやりたいのかどうか。本当にやりたい!という情熱があれば、是非一歩を踏み出してみて欲しいと思います。

自分らが思っている以上に選択肢は多く存在しますし、自分に合った条件が見つかるはずです。その一選択肢としてアジアでのMBAを検討してみていただければ幸いです。

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