【MBA留学体験記】北京大学・光華管理学院 高橋とも子<2017年入学>

 

プロフィール

 

名前 :    高橋とも子 Takahashi Tomoko

入学時年齢 : 34歳

入学前学歴 : 上智大学比較文化学部(専攻:社会学、2008 年 3 月卒業)

職歴 :    (現職)電機メーカー・インフラ部門海外営業

       (MBA 前)勤務年数 11年間(学生時代の在ソロモン日本大使館勤務の2年間を含む)

留学方法 :  社費、単身

海外経験 :  ( MBA 前)高校及び大学時代に各1年間アメリカに交換留学経験あり。大学時代2年間休学し、在ソロモン日本大使館にて勤務。

TOEFL:   Total 101 (L28/ R27/ S22/ W24)  

GMAT :   Total 620 (Q42/ V33/ AWA5.0)

 

東から西へ方向転換“アジアで MBA”という選択(選んだ理由)

 

MBAの三文字しか知らない中で、突然受験準備とMBAのリサーチが始まりましたが、当初は米国のMBAスクールしか選択肢にないものと思っていました。スコアを上げてランキングの高いスクールを選択するという発想しかなく、スコアもモチベーションも上がらない中、インターネットで検索をしていた時、ふと「アジアでMBA」という本を目にし、閃いたのが中国本土留学でした。学生時代に米国へは留学経験があったこと、またメーカー入社以来の担当地域もずっと北米であった為、自身の仕事の幅や可能性を如何に広げるかに行き詰まりを感じていた時期でもありました。中国市場の重要性、兼ねてより趣味で続けていた中国語、様々な点が繋がった瞬間でした。そこから、会社との行先変更(会社もびっくり!)の交渉、週末を使っての北京と上海の学校見学を経て、中国を最も体験できそうだと感じた北京に行こうという決断にいたりました。

 

超短期準備期間、悩んだ学校選択(合格/入学まで)

 

2017年入学が条件のMBA派遣の話があったのが2016年9月、社内試験が終わり、受験準備のための情報収集を始めたのが2016年10月と非常に遅いスタートであったこともあり、気持ちの焦りに負けてしまっていた部分も大きく、スコアメイクには苦戦を強いられました。予定されていた海外出張を終え、業務調整をしてもらい、通塾を始めたのが2017年11月末でしたが、その後の職場の理解が大きかったのは非常に助かりました。GMATのVerbalの勉強に関しては、非常に苦しい時間ではあったものの、自身の英語を真摯に見直し、一から学び直す機会となり、非常に得るものの大きかった4ヵ月でした。この準備期間で得た学びや挫折もMBA留学の大きな財産です。最後に最も悩んだのは学校選択でした。日本人卒業生の方々とも沢山お話をさせて頂き、悩み抜いた結果、自由な校風とキャンパスに一目惚れした北京大学に行くことに決めました。

 

全体スケジュール

 

北京大学・光華管理学院のカリキュラムは春・秋の2学期で構成されており、2年間で45単位(31単位の必修科目と14単位の選択科目)を取得し卒業となります。また、卒業にあたり論文が必須となっており、2年目春学期の論文のディフェンス時までに単位の取得完了が条件となっているため、2年目春学期前半までに45単位習得している必要があります。2年目の秋学期乃至は春学期には多くの学生が交換留学に参加します。また、1年目の夏休みには海外のMBAスクールで開催される1~2週間のサマースクールへの参加も可能です。

 

<取得コース数>

各タームで取得したコース数

 

<忙しさ度合>

各ターム毎費やした時間を%で表示

 

 

クラスメートと切磋琢磨、課題に追われた1年目

 

1年目は20か国から集まった40名(うち日本人1名)のクラスメートと常に必修授業の課題に追われていたという印象です。殆ど全ての授業でグループワークが課せられていましたが、統計やファイナンスといった自身の苦手科目ではグループのメンバーには本当に助けられました。バッググランドやお国柄で物事に対するアプローチに大きな違いがあり、準備してこないメンバーに怒ってしまったものの、当の本人の本番のプレゼンはバッチリなどということもあり、クラスメートの能力に圧倒されたり、自身の固定観念が崩れ去る瞬間も多くありました。40人というのはMBAでは非常に小さいクラスサイズではありますが、1年を通じて全員と知り合える良いサイズであったとも感じています。クラスメートの一人ひとりからは今後も多くの刺激を受け続けるものと思います。

 

各国からのクラスメートと日々切磋琢磨した1年間

 

印象に残っている授業

 

MBAの必修科目の中で最も面白いと感じた授業は管理経営学(Managerial Economics)でした。需要/供給、限界理論、価格弾力性、ゲーム理論といったミクロ経済学の基本理論について学んでいきますが、例として取り上げられる事例が、北京の住宅価格の変動、自動車のナンバープレートオークション、病院の順番取り、春節時の帰省列車のチケット転売問題といった外国人からすると非常に面白いものが多く、理論を学ぶだけでなく、中国人教授や中国人クラスメートの意見を通じて中国の今を知るという点でもプラスαの面白さのある授業でした。

 

一番役に立ったと感じられる授業は、厳しいことで有名なアメリカ人名物教授ダグラス氏による選択科目のプロジェクトファイナンス・ケーススタディでした。毎週ケースに関する事前課題が課され、個人レポートの提出を以って授業に参加するというものでしたが、徹夜で取り組んでも答えが導き出せず辛い時間を過ごしました(授業に参加できず次の宿題だけ取りに行ったこともありました)。入札プロジェクトのグループワークでは応札価格が授業の直前まで決まらず、半ば仲間割れ状態で授業に向かったこともありましたが、辛い時間を一緒に乗り越えた仲間は同士のような存在です。最後の一瞬まで気の抜けない授業でしたが、ファイナンスの感覚を身に着ける上でも、思考トレーニングの上でもとても有意義な授業であったと感じています。

 

ダグラス教授のプロジェクトファイナンスケーススタディ、最終日は皆安堵の表情

 

自由な校風と美しいキャンパス

 

北京大学の魅力は何といっても自由闊達な校風と美しいキャンパスです。政治に関する授業を取った際、他校の中国人の学生にレポートを見てもらったところ、授業の内容であっても“こんなことを書いていいのか?”と驚かれることもあり、改めて自由に物が言える風土であることを実感しました。MBAの学生も勉強したいものは勉強し、インターンや仕事に専念したいものはインターンや仕事に専念し、個々を尊重する空気に溢れています。

 

北京大学・未名湖の前で、クラスメートと

 

 

MBAと同じ位重要である中国語

 

言わずもがなですが、中国語が出来ると取れる選択授業、交流できる学生、インターン、仕事の面でも幅が広がります。1年目はMBAの授業の忙しさを言い訳になかなか時間を割けず、時折、家庭教師や塾で細々勉強をしている状況でした。家庭教師に発音矯正をして貰ったことで、ぐっと聞き取りが出来るようになった実感はあるものの、まだまだ道は険しく、引き続き勉強中です。近隣には多くの塾、中国語教育に定評のある北京語言大学などもあり、中国語の勉強の環境は非常に整っていると言えるでしょう。

 

中国語塾のHSK6級クラスの先生とクラスメートと

 

アルムナイ・メンタープログラムを通しての中国体験

 

北京大学MBAの強みの一つとして、強力なアルムナイネットワークが挙げられますが、アルムナイ・メンタープログラム(初年度の初めに業界等興味に応じてメンター、学生の間で相互に選択を行う)を通して、普段授業を受けているだけでは恐らく経験できない、大規模開発中の北京の副都心・雄安新区の見学中国企業でのインターンシップといった貴重な機会を得ることができました。プログラムを通じて、中国語クラスやパートタイムの学生と横の繋がりが生まれたことも大きな財産です。

 

アルムナイ・メンタープログラムでメンターを囲んで

 

 

歌もプレゼンもピカイチ・ジンバブエ人クラスメート

 

クラスメートは個性派揃いですが、その中でも印象深いのはアフリカ・ジンバブエからの留学生タクンダ氏です。決して出しゃばることはないものの、授業では静まった時に的を得た発言をし、プレゼンをすれば引きつける力はピカイチ、世界は広く、学ばなければならないと思う瞬間が沢山ありました。また、幼い頃から国では声楽を習っていたそうで歌もとても上手く、北京大学Top 10 Singerに登り詰めた際には、バックバンドで共演させて貰い、4000人の観衆の舞台に一緒に立てたことは最高の思い出になりました

 

スピーチの引きつけもピカイチ

北京大学Top 10 Singerにて

 

未来のアジアMBA生への応援メッセージ

 

MBAは準備期間も含め多くの壁に突き当たると思います。新しい環境、言語、バッググランドの異なるクラスメート、何より常に時間との戦いです。優先順位を付けての取捨選択も時に全てを諦めず徹夜でこなしてみることも、結果はどうであれ、全てが血となり肉になっていく筈です。1年目は不可能と思えたスケジュールも2年目は日常となっている、そんな感覚を実感している今日この頃です。受験準備もMBAの勉強も大変な時は多いですが、壁の向こうにはきっと新しい世界が待っています!

 

<参考>留学費用

※在学当時の留学費用概算、為替は2019年1月現在のものを使用

 

 

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