アジアMBAといえば香港やシンガポールが想起されますが、それだけではありません。実は東南アジア最古のMBAがフィリピンのマニラにあります。今回は、Asian Institute of Management MBAのインタビューをご紹介します。
プロフィール
S.Iさん
■東京大学農学部卒業
■新卒で総合商社入社
■Asian Institute of Management(AIM) MBAプログラム卒業(私費)
■卒業後は外資系コンサルティング会社に転職
■現在は日系ITベンチャーの役員として活躍
Why MBA?
―MBAを目指されたきっかけは?
新卒で入社した商社においては若い年次から幅広い経験を積むことができた一方で、4,5年目あたりから自身の成長曲線が鈍化してきたことを実感し、更なる成長ができる場を求めていました。
私が在籍していた総合商社は言わずもがな大企業で、お客様は多少の無理でもこちらのお願いを聞いてくれたので、”会社の看板”がなくなった時に自分がどれだけできるか試してみたかったんです。
また、もともと私は農学部出身でビジネスを体系的に学んだことがなく、商社で学んできたビジネススキルを一旦整理するためにも体系的にビジネスというものを学ぶ機会が必要だと考えました。
―MBAの中でもアジアMBAを選ばれた理由は?
普通のキャリアではなく、皆から面白いと思われるようなキャリアを目指したいと思っていました。その意味では、USやEUのMBAに行ったとしてもOne of themになると思い、アジアのMBAを志向しました。
アジアのMBAは中国・香港・シンガポールにあまたありますが、私は折角アジアのMBAに行くのであれば”アジアの価値観”に沢山触れられる環境に行きたいと思っていました。また、東南アジアに住みたいというのもありました。なので、アジアの中でも際立って先進国であるシンガポールや香港は検討対象から外し、中国も東南アジア外ということで外しました。
―そこで、フィリピンのMBAなんですね!
はいそうです。フィリピンのMBAを選んだのはまず”英語”という言語的事情がありますが、フィリピンならば先程申し上げた”アジアの価値観”にどっぷり浸かれます。
また、起業をするならアジアとイメージしており、一度仲良くなると仲間に対してとてもオープンになるアジアのネットワークを張り巡らせたい、アジアの人脈を築きたいという意味でも、AIMは自分にとって最適の場所と考えました。
Why Asian Institute of Management(AIM)?
―AIMの特徴はどんなところにあるのでしょうか?
前にも申し上げましたが、AIMは東南アジアで一番古いMBAコースで歴史があります。また、授業に関しては主にハーバードのケースを中心として、ケースベースの授業が多いのが特徴です。
同級生の構成ですが、フィリピンのローカル校の中ではグローバルな環境と言え、私の代では10ヶ国強の国籍の学生が在籍していました。
―AIMではStudent CouncilのPresidentを務めていらっしゃったとか。
はい。AIMのPresidentは他の学校と同様にクラス投票で決まるのですが、その投票時期が入学してから2ヶ月後で、その間にお互いの人となりを知る時間がありました。
私は入学時から学内情報を同級生に対して積極的に発信したり、パーティーを開いてきたこともあり、クラスメイトからは自分が代表を務めるのが良いということにいつの間にかなっていました(笑)。
日本人は自己利益を犠牲にして全体利益を実現できるという意味で、リーダーに一番適した人種だと思うんです。クラスメイトの中には自分の利益と中心に考えている人も多かったですが、私の場合は入学当初から積極的にクラスに貢献できたことで厚い信頼を集めることができました。
受験生へメッセージ
MBAは行けば凄くなれるところでは全くなく、自分から動いた分だけ得るものが大きい場所です。また、MBA学生という身分を活かして、自分に何ができるかトライする場所でもあります。
MBAは今まで培ったスキルや経験とMBAで学ぶ知識が有機的に結び付けられる場所であり、ただ単に勉強する視点で入学すると、思ったよりも学習効果は得られないと思います。
そういった意味で、これまで何らかの専門を培ってこられた方がキャリアチェンジする目的でMBAを使うというのが一番効果的と感じています。