【アジアMBAの授業】シンガポール国立大学(NUS) MBA Marketing Management編

 

MBAの授業とはどのような内容なのか?これからシリーズでいくつかご紹介していこうと思います。まず第1弾は、シンガポール国立大学(NUS)MBAの”Marketing Management”です。

 

授業概要

ニューヨーク大学でPhD( Marketing)を修了したインド人教授のもと、マーケティングに関する基本的な知識及びアジアマーケティングの事例を3ヶ月かけて学びます。事例としては消費財等のFMCGプロダクトをメインに扱うことが多い印象です。

 

授業の形式

基本的にはレクチャーノートに基づいて教えていくのですが、教授がよく生徒に質問します。ひとたび議論が巻き起こると教授はファシリテーションに徹し、授業の学びを最後にまとめるといったスタイルです。

 

学習内容

前半:Marketing Math, Marketing researchなど

前半はマーケティング理論を学ぶ前の前提知識として、固定費・変動費などの計算、マーケティング・リサーチの手法及び消費者行動理論についてざっと学びます。

中盤:Marketing Strategy, Marketing Plan

中盤では、マーケティングの肝である、STP (Segmentation, Targeting, Positioning)と4P(Product, Price, Place, Promotion)を学習。ハーバードMBAのケースを使いながら、実際のビジネスケースにもとづいて皆で議論しながら学習します。

後半: Marketing in Asia

後半では、NUSらしさがでるAsia Marketingの登場です。

アジアのビッグ市場である中国とインドを例に、アジアの中でどのようにマーケティング戦略を立てるべきかを議論していきます。アジア市場の特徴として、所得が低いBOP(Business of the economic Pyramid)層が依然として存在していることが挙げられますが、当Marketing Managementの授業ではそういったBOP層に対するマーケティング理論も学んでいきます。

 

課題

課題は4-5人のチームを組んで、与えられたマーケティングのケースを定量的・定性的に分析し、レポートを書き上げます。これまでの課題としては、以下のケースが与えられました。

Math : プレミアムミネラルウォーターをどのように売るか (インド)
STP: とあるEUの銀行がルーマニアでクレジットカードビジネスを立ち上げるか (ルーマニア)

4P (Product) : 地場ビールメーカーがライトビールのブランド拡張をするかどうか (アメリカ)
4P (Place) : ヨーグルトメーカーがどのチャネルを使って販売するか (アメリカ)
Asia Marketing : 化粧品メーカーが中国市場をどう攻めるか (中国)

ビジネス・ケースの課題が出される週は、授業の最初に任意で1チームがプレゼンを行います。

 

まとめ

このマーケティングの授業は、欧米のケースを一定数扱っているものの、随所にアジアの要素や事例が入ってくることが特徴です。終盤にはP&GのAPAC責任者を講師として呼び、P&Gのアジアマーケティング戦略について講演がありました。

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