アジアMBAというと香港やシンガポールを思い浮かべる方が多いかと思いますが、いえいえ!中国本土にも良質な学校が多数存在しています。
例えば、上海にメインキャンパスを構えるCEIBS(中欧国際工商学院)は昨年のFinancial Times MBA Rankingで17位と、ここ近年は常にTop20位にランクインしています。
今回は、同じく上海にある上海交通大学のIMBAコースについてお伝えしていきます。歴代の首相に名を連ねる江沢民の出身校として有名な上海交通大学はどのような学校なのでしょうか?
上海交通大学IMBAコースとは
上海交通大学は上海の大学の中でもトップレベルの国立総合大学です。そんな知名度のある大学ですがMBAに関して日本ではほとんどの方がご存知ないかと思います。
上海交通大学にはIMBA(英語)とMBA(中国語)があります。私はIMBAの方に在学しておりますので主にIMBAの内容をお伝えしていきます。
上海交通大学IMBAは約21ヶ月のプログラムで、1・2セメスターで必修科目、3セメスターで交換留学、4セメスターで論文という流れになっています。授業は1コースを二週間おきで終わらせ、コースの最終日にはテストがあるため、セメスター中は息つく暇もないくらい内容が凝縮されています。
交換留学では20カ国以上の選択肢があり中国以外の国際経験もできます。またIMBAではdual degreeがあり(MIT, IE, Rice Tulan)と提携しています。毎年MITとIEにはそれぞれ2、3人dual degreeを取りに行っているみたいです。
現在クラスメート80人プラス交換留学生が5、6人いて、クラスメートは大体半分くらいが中国人です。またインターナショナルの生徒は世界各国から来ています(アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、コロンビア、韓国、マレーシア、タイ、インドネシア、フランス、アルメニア、ネパール、モンゴル、ロシア)。ちなみにインターナショナルの3分の1ぐらいは中国語ペラペラです。バックグラウンドとしては、全体的に色々な職種の人が集っています。教授も色々な国の方がいて有名な教授を結構雇っているみたいです。
一押しの授業:Financial Accounting
個人的にはfinancial accounting の授業が良かったです!
MBAが始まる前に最低限の知識はつけるために少しは学習していたのですが、授業では次々に新しいことだらけで目からウロコ状態でした。
授業概要
基本的には教科書に沿って授業は進んでいきます。まず初めの3日間で基礎を学び、それ以降は中国企業を中心に決算書の分析手法を学んでいきます。
またチームで3つ会社を選びそれぞれの特徴を分析して最終日前日にプレゼン、また授業の半ばに中間テストがあり最後にfinalテストという流れでした。なお、宿題はチームで毎日あり大体毎日5時間ぐらいは費やしてました。
授業の形式
コースが始まる前に7人ぐらいのチームに分けられます。授業後は毎日チームごとに宿題が課され、チームで取り組むという形になっています。他の授業と同様なのですがある程度基礎的な知識があるという前提で授業が進んでいくため、チームには必ず一人金融のバックグラウンドがある方(CPA,CFA保持)がチームのリーダーになることでお互い助け合っていきました。
学習内容
主な授業の内容は以下の通りです。
- Introduction to Financial Accounting Balance Sheet
- Income Statement
- Cash Flow Statement
- Economic Concepts Behind Accounting Numbers
- Accounts Receivable
- Inventories
- Marketable Securities Long Lived Assets
- Long term Liabilities Equity
- Active Investments in Corporations
初めの3日間ぐらいは初歩的なことですが、それ以降はかなり深くまで掘り下げて講義を展開していくので、会計学の基礎についてわかりやすく講義してもらえます。
上海交通大学はこんな人にオススメ!
ズバリ、色々な国の人と切磋琢磨して勉強したい方、授業の流れが非常に早いのである程度授業についてこれる方、中国語も同時に向上させたい方、中国で仕事がしたい方、冒険心がある方、が向いていると思います。
上海交通大学IMBAは日本で開催されるQSには参加していないため、日本ではまだまだ知名度は低いです。ただ上海交通大学MBAは2016年FTランキングに39位にランクインしており、他の有名校と比較して遜色ない学校だと思います。
現在日本ではあまり知名度がないので日本人にとっては入学競争率はまだまだ低いと思います。今年に入り中国MBAに興味を持っている日本人の方が実際何人かCampus visitしに来ていますが、それでもまだ今ならかなり狙い目の大学です!